【インタビュー】株式会社ビザスク - 共感するミッションのもと成長を続けたチーム。辿り着いたのは必然的なIPO。(3/3ページ) - Widge Media

【インタビュー】株式会社ビザスク - 共感するミッションのもと成長を続けたチーム。辿り着いたのは必然的なIPO。(3/3ページ)

記事紹介

2020年3月に東証マザーズに上場を果たした株式会社ビザスク。「知見と、挑戦をつなぐ」というミッションのもと、ビジネス領域に特化した日本最大級のナレッジプラットフォームを展開。IPOから一年が経過した今、資本政策室長としてチームを牽引した宮城さん、経理や総務を中心とした実務面を支えた原さん、内田さんに、IPOの舞台裏や上場後のお話を伺った。キャリアストーリーからIPO実務まで、リアルな内容が満載。
※インタビュアー/株式会社Widge 利根沙和

IPOによって強化されたスキルと責任感

上場して1年経ちましたが、宮城さんからもコーポレートグループとして感じていることや、モットーなどお聞かせいただけますか。

宮城:モットーに関しては、社内にも社外にも積極的に、かつ素早く人に相談するということを大事にしています。

IPOの準備をしていると、実はこういう規制があったとか、コンプライアンス上で対応しなければいけないということが出てきます。ビザスクでいうと、金銭のやりとりに関するフローに問題がないか金融庁に確認を取らなければならなかったり、登録アドバイザーの方々に対する情報管理等のコンプライアンストレーニングが十分かといった指摘に対応したり。一見手間がかかるけれども、新しい会社が世の中に認められ信頼を得ていくために、ひと手間ふた手間かけてでもちゃんと整えていかないといけないことって結構あるんですね。特にIPOの準備中には、外部からこうしたことを短期間でたくさん指摘されます。

金融庁や主幹事証券からちょっとした疑問が投げかけられたときに、どう返したらスピーディーかつ正確に対応できるか 。一方、IPO準備はタイトな時間で多くのタスクをさばきますから、質疑応答を早く終わらせたいと思うときもあります。電話でやり取りする場合はなおさらそうですね。でも、自分の回答は会社の発言に等しいですし、社外からいただく些細な疑問が本質的な議論のきっかけになる場合があります。ですから、外部とどういうコミュニケーションをしているかを丁寧にIPOプロジェクトのメンバーに共有することを自分の方針としていました 。周囲に情報を積極的に展開して、最善な道をとことん一緒に考えると。

1人で抱え込まず、組織として解決していったわけですね。

宮城:会社の風土として、相談するとみんな前向きに考えてくれる雰囲気があります。IPOの後でもそのような組織の明るさは変わらないし、むしろルールがはっきりして前向きな雰囲気がもっと強くなった気がします。

上場日の社内セレモニー

それから、経理に関して言うと、四半期決算を3カ月に1度公表しなければいけません。決算を締めて、数字を確定して、報告用の資料を作成する。これが非常に大変です。でも、この大変な作業をすることで自分たちのスキルは確かなものになります。1人でできないのでチームの力が大事ですよね。     

また、決算発表をすると必ずリアクションがある。売上についてコロナの影響を聞かれたり、採用が進んでないようだけれど大丈夫かと聞かれたり。外部からこう見られています、と会社に伝えることで、事業の成長にも少なからず影響してくるのではないか、というのも感じています。

一見面倒に感じてしまいがちなこともネガティブに捉えず、真摯に受け止めて正しい方向に力を出して進んでこられているのが本当に素晴らしいですね。原さん、内田さんは上場後の感想をどのようにお持ちですか。

原:社会的な責任というのがはるかに増しました。自分たちが集計した数字や作成した資料を見て実際に株の売買等が行われる可能性があるわけですから、失敗は許されない。プレッシャーがある中ですごい経験ができていると思います。また、宮城が言ったように3カ月ごとの決算は大変ですが、成長したという実感もあります。

内田:初めて有価証券報告書を出したとき、自分が作ったものが世に出るというプレッシャーを感じましたが、それ以上に喜びが大きかったです。チームでやりきったという達成感を感じました。宮城も原も言っていたとおり、会社のメンバーとしても上場を経て信頼第一という気持ちが大きくなっているのを感じます。

コーポレートグループとして、会社の成長、社会への貢献をサポートする

ありがとうございます。最後にIPOを目指す会社へのアドバイスなどがあればお願いします。

宮城:そうですね。IPOの準備は本当に大変ですが、一方で、IPOをすればゴールというわけではない。むしろそこからがスタートです。もちろんIPOを目指している方々はそれを理解されていると思いますが、IPOをしようとしている会社に入った社員の方、かつての僕らのようにIPO準備をしている方も、IPOの先を具体的にイメージしながら進めていくといいと思います。     

上場すればストックオプションが使えるといった金銭面でのメリットもありますが、それだけを目指していると気持ちが続かない。僕も、すごく大変なIPOの準備を乗り切れたのは、ビザスクが大きくなるのを見たいという思いがあったからです。

上場達成後に人が辞めてしまうということをよく耳にしますが、上場して1年が経つ今、一緒に働いたチームメンバーは誰も辞めていないし、個人としてもチームとしてもむしろもっとできることがある、という気持ちです。まだまだ改善していきたいし、効率化していきたい。そして会社も大きくなっていっている。そういう楽しいことがIPOの先に待っているとイメージするといいのではないでしょうか。

上場日社内セレモニー(集合写真)

今後の目標についても伺ってよろしいでしょうか。

宮城:コーポレートグループのメンバーが、いいチームワークで働けるように自分ができることを精一杯やる、ということですね。四半期決算の話をしましたが、プレッシャーを考えていると辛いだけになってしまうので、明るく前向きに、改善もしながらチームワークよく進んでいきたいですね。

また、ビザスクを通じて、ご自身の知見で社会に貢献をしているアドバイザーの方や、その知見によって助かっている企業・個人の方がいらっしゃいますが、この輪を世界中に広めていく。そのための仕組みづくりをコーポレートグループとしてやっていくことがミッションになっていくと思っています。

ありがとうございます。内田さんはいかがでしょうか。

内田:アドバイスとしては、IPOでは数字に信憑性を持たせる仕組みを自分たちで作ることが大事だと思います。 例えばビザスクでは、システムを使って請求書は半自動的に出すことができます。こうした仕組みづくり、システム導入に力を入れるのは、数字の信頼性を上げる点でも大事ですし、後々自分たちが楽になりますよね。

また、私はIPOと同じ時期にシンガポールの子会社設立も担当しており、現地の会計事務所とのやり取りなどはとても大変でした。でも今後さらに海外展開を強化していく中、海外の現地法人立ち上げを経験し、オペレーションが回るようにサポートしていることはとても大きな経験だと思っています。

目標として、バックオフィス面から海外展開をサポートできるように、さらに精進していきたいですね。

原さんはいかがでしょうか。

原: IPOをしたときに端羽をはじめとした創業メンバーや、当時から働いてきた古株のメンバーがすごく喜んでいたのがとても印象的でした。このインタビューのようにIPOというと管理部門の人間がスポットライトを浴びがちですが、会社を大きくするためにこれまで頑張ってきた人たちがいたからIPOができた。会社を作り、それを成長させていく人たちがいて、みんなの努力の結果がIPOなのだということを強く感じましたね。

本当にそうですね。目標についてはいかがでしょうか。

原:今の業務では決算説明資料を作る機会が多いのですが、そうした資料を見てビザスクという会社を知る人も増えていくと思います。おかげさまでアドバイザーも依頼者も増えていますが、これからも決算や開示業務などを通じてビザスクという会社の存在を広めることで間接的に事業を支えられたらいいなと思っています。

チームがどのように作られ、様々なことに対応する中で、個人としてチームとしてどのように成長してきたのか、リアルなお話を伺う貴重な機会をありがとうございました。今後の展開が、とても楽しみです!

株式会社ビザスクコーポレートグループ 資本政策室長 宮城勝秀さん
コーポレートグループ 総務・経理担当 原圭佑さん
コーポレートグループ 経理 内田理恵さん