【インタビュー】株式会社ビザスク - 共感するミッションのもと成長を続けたチーム。辿り着いたのは必然的なIPO。(1/3ページ)

記事紹介2020年3月に東証マザーズに上場を果たした株式会社ビザスク。「知見と、挑戦をつなぐ」というミッションのもと、ビジネス領域に特化した日本最大級のナレッジプラットフォームを展開。IPOから一年が経過した今、資本政策室長としてチームを牽引した宮城さん、経理や総務を中心とした実務面を支えた原さん、内田さんに、IPOの舞台裏や上場後のお話を伺った。キャリアストーリーからIPO実務まで、リアルな内容が満載。
※インタビュアー/株式会社Widge 利根沙和

3人それぞれの転職ストーリー…そして、やりたいことが見えてきた。

本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、これまでのご経歴とビザスクに参画された経緯からお聞かせいただけますか。

宮城:はい。新卒でBig4と言われる監査法人のひとつに入り、3年半ほど勤めました。一通り監査の仕事を経験した後、外の世界を見たいと思い転職活動をはじめたところ、当時の上司が代表の端羽を紹介してくれたのがきっかけです。紹介してくれた上司は、ビザスクに私がフィットすると思ったようです。

実際に会ってみると、「世界中の知見をつなぐ」という当時のビジョンや、端羽のパッション、人間性にとても魅力を感じました。すぐにでも勤めていた監査法人を飛び出してビザスクの成長を間近で見たいと思い、入社しました。2017年の夏でした。

コーポレートグループ 資本政策室長 宮城勝秀さん

創立から何年ぐらいの時だったのでしょう。

宮城:2012年創立なので5年経ったところ、6期目ですね。人数は20数人から30人程度で、組織自体が若く、会社というよりも、サービスづくり中の事業体という感じでした。経理は税理士さんにお願いしていましたし、法務や労務管理の体制もまだ整っていなかったですね。そこに監査法人の経験がある私が入社して、経理を中心に体制を整えて、上場を目指せるような体制を作っていこうという状況でした。

まさにIPOに向けてのスタート地点だったんですね。原さんはいかがでしたか。

原:私は、新卒で公営競技の施設管理会社に入社をし、管理部門に配属になりました。規模もそこまで大きくなく、総務も経理も幅広く携わることができました。途中、別の団体に出向し、違う環境に触れる機会があり、当時の会社だけでなく視野を広げて新しくチャレンジをしたいと思い、それをきっかけに転職活動をスタートしました。

当時、私にとってベンチャー企業というのは縁遠い存在に思っていたのですが、エージェントの紹介がきっかけでビザスクを知り、面接でCFO安岡の話を聞く中で、「すごい人たちがいるんだな、自分もそうした環境で成長したい。」と思い入社を決めました。それが2019年2月なので、IPOのちょうど1年前ですね。

当時は経理担当が宮城を含めて2、3人でしたので、最初の1年は経理業務をしながら、取締役会や株主総会の運営などをメインで担当していました。

コーポレートグループ 総務・経理担当 原圭佑さん

内田さんはどのような経緯で入社されたのでしょうか

内田:私は新卒で100人ほどのベンチャー企業に入社したのですが、約1年ほどで所属部署が分社化し、会社全体のバックオフィス系業務を全て担うことになりました。その後もグループ内で合併するなど組織再編が頻繁に行われ、総務や人事も担当することになったのですが、もともと経理のキャリアを積んでいきたいと考えていた為、上場子会社に転職しました。

規模も大きく風土も全然違う会社に転職して、1社目のベンチャー企業では当たり前だった業務改善などの仕事が自分は好きだったんだということに改めて気が付いたんです。それもあって転職活動を始めまして、エージェントに紹介されたのがビザスクでした。入社時期は原の半年後で、今は経理を専任しています。

コーポレートグループ 経理 内田理恵さん

なるほど。キャリアアップというと、一般的に大手企業や上場企業を志向される方も多いですが、原さんも内田さんも、ベンチャーが合っていたということでしょうか。

内田:そうですね。私はもともと仕組みづくりなどに興味があったので、今もやりがいを持って取り組めていますし、今後もそのような環境に身を置き続けたいと思っています。

原:管理の仕事は組織が大きくなると分業化が進み、ルーチン化した業務が多くなりますが、小さい組織だからこそ、新しいことをどんどんやらせてもらうことができます。自分で決めて進めて行かなくてはいけないことも多い分、とても刺激的だし、やりがいも感じますね。

なるほど。ベンチャーならではのやりがいについてだけでも1時間ぐらい話せてしまいそうですね!(笑)

宮城:話せちゃいますね(笑)。

”知見と、挑戦をつなぐ“ というミッションを実現するために必然だったIPO

そもそもIPOを目指すきっかけは何だったのでしょうか。会社によって、IPOに関係なく体制を整えていて、それからIPOを視野にいれるところもあれば、IPOを掲げてそこに向けて体制を整えていくというところもあります。

宮城:私が入社した2017年当時はまだはっきりとIPOをすることが決まっていたわけではありませんでした。もちろん、私の採用は、端羽の頭の中では先々にIPOを見据えたものだったと思いますが、一番大事なのはサービスの成長なので、その目的に適うオプションのひとつとしてIPOを捉えていましたね。

私が採用されたのも、まずは社内にきちんとした管理体制を作ること。その延長でIPOまで持っていける人だと尚良い、という感覚だったようです。IPOに向けた確定したスケジュールがあったわけでもありませんし、そういう具体的なことを詰めるよりサービスづくりにリソース投下していましたね。

そうだったんですね。

宮城:入社後、端羽からこれまであったことを改めて聞いたんです。端羽はものすごいパッションの持ち主でありながらも鋭くてキレキレなんですが、会社をつくる時はものすごく悩んだことを。創業の経緯はたくさんの記事が出ているので省略しますが、悩んで悩んで、会社を立ち上げてサービスをつくって。

ビザスクのサービスは全く新しいものなので、広めるのはとても大変だったらしいんです。当時はまだ副業の是非みたいなことも言われていましたし、知見のシェアというビザスクの世界観が共有された社会ではなかった。営業するのも、サービスをつくるためにエンジニアを口説くのも大変。サービス作り、採用、資金調達のどれも試行錯誤…という状況の中で、当社の掲げるミッションを実現するためにはこの先何が必要なのかを、毎日考えていたと。その中の一つの方法論がおそらくIPOだったと思うんです。

上場日当日の端羽さんと宮城さん

M&Aではなく、IPOだったと。

宮城:はい。M&Aをして会社を大きくしていく方法ももちろんありますが、現在登録してくださっている14万人超の方の業務経験や職歴など、大切な情報をお預かりして、それを求める企業・人に提供・マッチングするということをやっているので、社会から信頼されることがすごく大事なビジネスなんですよね。

因みに、海外にも似たようなビジネスをしている会社はありますが、上場を果たした会社はまだなくて、世界初というのを達成したいという野心があったりもしましたね。私自身、IPOという経験もしたかったですし。でも一番自分の軸になっていたのは、ビザスクのサービスを世に広めたい!という気持ちでした。なので、IPOがゴールという意識は全くなかったですし、今もないですね。これはビザスクのメンバー全員がそうです。IPOは会社が成長するステップの一つであり、そのプロセスを経ることで社会の公器として認めてもらった証。そういう一連の世界観の中でのIPOだったと思います。

見据えてきたミッションの中に自然とIPOが組み込まれていて、必然的にIPOを達成した、ということなんですね。素晴らしいですね。似たようなサービスを提供している会社が上場していない理由はどのようなことが考えられますか。

宮城:当社は、ビジネス経験のある個人を、そういった個人に蓄えられているビジネスの知見が欲しい人や企業にマッチングするサービスを手掛けていますが、実は結構難しいサービスなんですね。まず、知見を提供していただける個人をしっかり集めてこないといけません。加えて、集めるだけではなく、当社やクライアントがその方々の登録内容を検索できるようにビジネス経験をデータベース化する必要があります。さらにクライアントが満足できる精度で、求める知見を持つ人をご紹介するオペレーションが必要となります。こういうビジネスを収益性が出てくるレベルまで作っていくのは大変ですし、すでに当社がメインプレーヤーで国内では一強といえる状態なので、参入障壁が高い環境になっており、類似サービスががあっても上場のハードルは相当高いと思います。