【インタビュー】ヘイ株式会社/佐俣奈緒子氏 - 採用とPMIの舞台裏から見る、ファンが急増するヘイ独自の文化とは?(1/3ページ) - Widge Media

【インタビュー】ヘイ株式会社/佐俣奈緒子氏 - 採用とPMIの舞台裏から見る、ファンが急増するヘイ独自の文化とは?(1/3ページ)

記事紹介

2年前の経営統合で50名からスタートし、2年間で従業員数を200名規模まで拡大した同社。PMIと採用を同時進行で進めた舞台裏、toB企業でありながらファンの多いヘイ社独自の文化はどのように築かれていったのか、「Just for fun」をうたう組織作りの秘訣について様々な角度からお話を伺った。

この記事のトピック
■統合していく過程でどのようなことに主眼を置きながら組織開発を行っていったのか
■現在の同社のコーポレートアイデンティティが生まれた過程とは?
■今後組織開発を行う上で実施したい施策とは?
※インタビュアー/株式会社Widge 舘石鈴央

現在の事業内容~会社の成り立ち

本日はお時間をいただきありがとうございます。現在の御社(ヘイ株式会社)の事業内容や成り立ちから伺いたいと思います。

ヘイ自体は2018年の2月にスタートした会社で、キャッシュレス決済のサービスを提供しているコイニーと、ネットショップ作成サービスを提供しているストアーズ・ドット・ジェーピーが経営統合されて出来た会社です。

おっしゃっていただいた通り、直近ではクービックというオンライン予約システムの会社をグループ会社化して、現在では「STORES」というブランドに統一して、ネットショップ開設・運営サービス、決済サービス、予約システムという3つのサービスを提供しています。

お店を営まれている事業者さん向けのサービスということですよね?

お商売をされている方たちにフォーカスをして、彼らのお商売を行う環境をもっと便利になるよう整えることで、事業を営む皆様がこだわりを突き詰めることに集中できるようにしたいと思い、日々奮闘している会社です。

ありがとうございます。次に会社立ち上げの経緯を伺います。まずは佐俣さんがご自身で決済サービスのコイニー社を立ち上げられた経緯はどういったものだったのですか?

前職でペイパルというアメリカのオンライン決済の会社におりまして、ある意味アメリカの企業の立場から日本市場を見るということをやっていました。2010年当時の日本は、まだ電子決済を使える先が百貨店などの大手小売店に限られていて、中小の、いわゆる商店街のお店のようなところには行き届いていないなと感じていました。

ECの世界では、ペイパルのような会社が、個人事業主などのスモールセラーといわれる方たちにサービスを提供する動きがありましたが、リアルだと、あまりそこにちゃんと向き合っている会社が多くないのではないか、という仮説がありまして。それを解決するような、どこでも電子決済を提供できるようなサービスを届けたいと思ったのが、起業のきっかけです。

ちょうど日本のガラケーの出荷台数とスマートフォンの出荷台数が逆転した年というタイミングで、スマートフォンが浸透すると世界が変わるのではという想いもあって決断しました。

オンラインだけでなく、リアルでも電子決済を広めていきたいという起業だったのですね。そこで最初に述べていただいた通りストアーズ・ドット・ジェーピーと統合をしてヘイ株式会社が生まれたということですね。統合のきっかけはどのような経緯だったのでしょうか?

佐藤(ヘイ株式会社 代表取締役社長 )とは元々10年来の知り合いでして。

え!そうだったんですね!

佐藤は昔、自転車のECをやっていて、もともとお商売がすごく好きなんですよね。

お商売のあり方ってこの10年ですごく変わっていて。ソーシャルの発展によってお店とお客さんがダイレクトにつながるような世界が広がっていっていて、オンラインとかオフラインの境がどんどん曖昧になっている。

そういう方たちの活動をサポートできるようなツールを、と考えたときに、「ストアーズ・ドット・ジェーピーとコイニーを一緒にすると楽しそうじゃないか。」みたいに佐藤が突然つぶやいたときがあって。それが2017年の夏ぐらいですかね。

なので、友人関係という、ビジネスとは全く関係ない繋がりから始まりました。

お友達同士からビジネスのパートナーになられたんですね!

当時はどんな会社にしたいとか、こういった文化で会社を作っていきたいとか、誰が何の役割をやるかもふわっとした状態で。ただ、こういうのって勢いがないとはじめられないのもあって、言葉を選ばず言うと、「バンドやっちゃおうぜ」みたいな話に近いノリで始めたんです。

もちろん、大きな事業イメージは持っていましたし、当たり前ですが、株主の皆様への説明はしっかりとやりましたが。

なるほど。それがあって、今のヘイさんの楽しい雰囲気につながっているんですね!

カルチャー組成の礎

「どんな会社にしたいか決めずに始めた」ということでしたが、その後どのように今の組織・カルチャーの土台を築かれていったのか教えて頂けますか?

「ヘイ」という社名からコーポレーションアイデンティティ(以下CI)に落とす過程で、様々な議論を行いました。今も打ち出している「Just for fun」という言葉は、初期のころから出てきていたので、そこに合わせていったというところは大きいかなと思います。

特にロゴを作る過程の中でこの会社のミッションって何だっけ、とかCIが意味するものとは何なのかみたいな議論が出たということは、組織を作る上でのきっかけ、認識をそろえるということに関してすごく役立ったと思っています。

ロゴを作る際にCIについて議論をしたというのは、非常に興味深いお話ですね。もう少し深く伺っても良いですか?

はい。ロゴってCIを表層化している部分なので、この会社がどういうことをやりたいのか、何のために存在するのかということを考えていく過程の議論が一番重要な点だと思っています。 そしてその議論の結果、アウトプットしたものの1つがロゴという認識ですね。ロゴ自体はとてもシンプルなものですけど。

 なので、繰り返しになりますがロゴを作る際の議論の過程が非常に重要だと感じています。

 ヘイに関して言うと、コイニーもストアーズ・ドット・ジェーピーも、デザイナーと経営陣が対話をするという文化は元々持っていたので、色々な話をする中で、やっぱり「こういう風なことをしていきたいよね」「こんなこと目指していきたいよね」という話はやっぱり出てきますよね。 それを何回も話していく内に、議論としても洗練されたのかなという風に思っていて、そのプロセスがこの会社においては非常に有用だったのかなという風には思います。

ロゴを作る過程で議論を重ねていらっしゃったのですね。「ヘイ」という社名に込められた思いというのはどういったものなのですか?

社名においては、あんまりそこに大きな意味を持たせたくなくて。やることは明確にこういうことをやっていきたいというのはあるんですけど、社名に特定の意味を持たせるというよりは、「汎用性の高い言葉がいいよね」「短い方がいいよね」という意思統一はできていたんです。

そこで、たまたま当時「hey.jp」というのが案にあがり、ある意味何の意味もなく、挨拶のひとつなので、先ほどお話したイメージにすごくハマるんじゃないかとなって、即決しました!2か月ぐらいかけて色んな案を出していたはずなんですけど、他の案は全然覚えていないくらいです(笑)

そうだったんですね!それだけ「ヘイ」という社名に皆さんピンと来るものがあったのですね。