【インタビュー】株式会社カラダノート/平岡晃氏 - 自然体かつ着実に難局を乗り越えたIPO~成長企業を真に支えるとは(3/3ページ) - Widge Media

【インタビュー】株式会社カラダノート/平岡晃氏 - 自然体かつ着実に難局を乗り越えたIPO~成長企業を真に支えるとは(3/3ページ)

記事紹介

2020年10月に東証マザーズに上場を果たした株式会社カラダノート。「家族の健康を支え 笑顔を増やす」というビジョンに共感し、更なる成長を目指す同社への強いコミットからIPO実現に貢献したのが、会計と経営企画の両分野を得意とするコーポレート本部長 平岡晃氏。少数精鋭チームを牽引し、IPOに向け社内のあらゆる面の整備を手掛け、数々の難局を乗り越えてきた。IPO実現に至るまでの経緯を振り返る中で見えてきた、IPOを成功させる極意とは。コーポレート本部長 平岡氏にお話しを伺った。
※インタビュアー/株式会社Widge 利根沙和

変化・成長し続ける環境にやりがい

IPO達成から約1年半が経ちます。実際に上場してみて、率直なご感想を教えてください。

「上場したら大変だろうな」とは思っていましたが、四半期ごとに開示をするというのは、やはり本当に大変でした(笑)。IRはこれまであまり経験がなかったので、新たなチャレンジ。日々の投資家とのコミュニケーションを含め、IRにしっかりと取り組む中で、自分自身の役割の変化も大きく、難しさを感じる部分でもあります。

新しい挑戦へのやりがいと同時に難しさも感じていらっしゃるのですね。

IRはある意味、「うちの株を買ってください」という投資家への営業活動だと私は思っています。しかし、すぐに結果は出ませんし、出たとしてもそれが自分の活動の成果なのかよく分かりません。この紐づけの難しさはありますね。投資家の方々が私たちのメッセージに反応してくれたかどうかを見る間接的な指標として、日々の株の出来高や売買代金などはウオッチしていますが、模索の日々です。

なるほど。投資家の方々とのコミュニケーションで工夫されていることはありますか?

今、決算説明会は、ほとんどがオンラインでの実施となっています。しかし、何度もオンラインでやり取りをしていても、いざ直接会うと印象が違った…ということは往々にしてあることですよね。ですから、できるだけ認識ギャップが生じないように心がけ、機関投資家向けの説明会もスモールグループにしたり、個別にしたりしています。また、説明会で投資家の皆さんの反応はしっかり見て、次回の資料には必ず修正を加えて改善するようにもしています。とはいえ、個人的にはやはり、リアルでお会いしたいという気持ちは大きいですね。

IPOを目指した先に見えてきた新たな目標

最後に、これからIPOを目指す会社にアドバイスをお願いします。

まず、コーポレート部門の人員体制は早めに強化しておくとよいと思います。事業に直結しない部門であり、「採用しづらい」「コストをかけづらい」と感じられるかもしれませんが、早めに強化しておけば後がずいぶんと楽になります。あとは、外部の専門家の協力を上手に得ることです。社内に経験者がいれば良いですが、いないのなら積極的に外部の専門家や知り合いの経験者に当たってみてください。私も分からないことは、上場経験があるCFOの方にいろいろ聞かせていただきました。この2点は、IPO準備をスケジュール通りに進める上で重要だと思っています。

証券会社や監査法人に資料を提出してはじめて修正部分が分かるという状況ではなく、資料を準備する時点で相談できる環境にあるかどうかというのは、IPO準備を進めるうえで重要なポイントですね。

おっしゃる通りです。どれだけ準備をしても、どんな課題が出てくるか分からないのがIPO。しかし、体制を強化しつつ外部の専門家らにも協力を仰いでおくことで、大幅なスケジュール遅れは防げると思います。そして出てきた課題については、満点で解決しようとするのではなく、合格点をどうめざすかと考えたら良いと思います。

IPOという大きな目標を達成され、現在は次のステージに向かわれていることと思いますが、会社としては今後どのようなことを目指されていますか?

会社としては、掲げているビジョンを実現させることが目下最大の目標です。そのためにも次のステップとして、現在のグロース市場からプライム市場に最短で移行することを目指していきます。それには各事業のさらなる成長が不可欠であり、課題を一つずつクリアにしていかなければなりませんが、会社として着実にやらなければならないことかなと思っています。

いよいよ東証再編後の市場スタートとなりましたが、上場会社として更なる高みを目指されるのですね。コーポレート部門としての今後の目標について、具体的にはどのようにお考えでしょうか。

コーポレート部門としては2つあります。1つは、守りの部分となるのですが、これまで以上に業務の生産性を上げることです。これからは、業務改善を徹底する「オペレーション・エクセレンス」が当たり前の世の中になると思っていまして。究極の形としては、人が介在しなくても業務が回るような社会になるのではないでしょうか。そんな中で私たちのバックオフィス業務をいかに効率化し生産性をあげることができるか…。これが今後の大きなポイントの1つになると思っています。もう1つは攻めの部分として、社内外への情報発信の更なる強化を目指しています。社外に向けては、IRやM&Aを念頭に置いて、投資家やメディアの方々に興味や期待を持っていただけるような発信をすること。そして社内においては、経営の意思決定に必要な情報をタイムリーに上げること。現状のバランスを考えると、今後は社内への発信にも比重を置いていきたいですね。

攻守・社内外それぞれに、様々な観点からの目標設定ですね。最後に平岡さん個人としての目標も教えていただけますか。

そうですね、私は広島県の出身で、広島が大好きなんです。ですから、いつか広島に貢献したいという強い想いがあります。個人ベースか企業ベースか、どんな形になるか分かりませんが、その時に備えて、自分の価値を発揮できるように、色々なビジネス経験を積んでいきたいですね。

素敵な地元愛ですね!いつの日か平岡さんが広島ゆかりの何かを立ち上げられるのが楽しみです。御社もチームも、今後のさらなるご活躍を期待しております。本日は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社カラダノートコーポレート本部長 平岡晃氏

2010年3月 関西大学大学院会計研究科卒業
2010年4月 株式会社日立製作所入社
2013年8月 BCホールディングス株式会社入社
2015年7月 株式会社ミクシィ入社
2017年2月 株式会社カラダノート入社コーポレート部長就任
2018年7月 株式会社カラダノート取締役コーポレート本部長就任(現任)