株式会社FUNDINNO / IPOは通過点。未上場株式市場の未来を自ら切り拓く。(1/2ページ)

2025年12月に東証グロースへ上場した株式会社FUNDINNO。株式投資型クラウドファンディングや特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)のリーディングカンパニーとして、日本の未上場株式市場の拡大を牽引している同社は、なぜIPOを目指したのか。IPO準備から達成後の成長戦略などについて、お二方にお話を伺った。
※インタビュアー/株式会社Widge 佐野めぐみ
本日はよろしくお願い致します。まずは、お二方のこれまでのご経歴からお伺いできますでしょうか。
布施:現在は、弊社のレギュレーション本部を管掌する役員を務めています。弊社は、「FUNDINNO」や「FUNDINNO PLUS+」などの金融サービスを事業者にご利用いただき、投資家の皆様に未上場株式を販売するといったプラットフォームビジネスを行っています。その中でレギュレーション本部では、金融サービスをご利用される各事業会社の審査など、金融業として必要な審査業務を担当しています。私自身は入社以来ずっと審査領域に携わっており、現在は他部門も含めた役員としてその領域を統括しています。前職は監査法人で、上場企業の監査やIPO支援、スタートアップの支援、M&Aのデューデリジェンスなどを担当していました。その経験が現在の業務にもつながっています。弊社には2018年7月に、執行役員発行審査部長として入社しました。気づけばもう8年ほど経っていますね。IPOに関してはIPO準備室長も務め、社内外の関係者と連携しながら準備を進めてきました。
布施さんは公認会計士有資格者でいらっしゃったのですね。監査法人からすぐにFUNDINNOさんへご転職をされたのですか。
布施:はい。監査法人時代もIPOを目指すスタートアップに関わる機会が多かったのですが、その中で強く感じていたことがありました。監査法人の立場だと、どうしてもIPO支援は「管理面の整備」に重きが置かれます。もちろんそれは重要なのですが、スタートアップが本当に成長するためには、売上を伸ばすことや資金調達の仕組みを作ることなど、より事業に近い部分が重要です。監査法人の立場では、そこまで踏み込んだ支援はなかなか難しいと感じていました。そんなときに、当時この会社の役員をしていた知人から声をかけてもらい、面白い事業をやっている会社があると聞いたのが弊社との出会いのきっかけです。それで入社を決めました。
監査法人という外から支援をする立場から、企業の内部で成長を支える立場に転身されたということですね。
布施:そうですね。弊社のサービスも、ある意味では外部から企業の資金調達を支援するという点では監査法人と似ている部分があります。ただ、私たちは実際に資金調達の機会を提供する立場なので、より直接的に企業の成長に貢献できるという点が大きく違います。

レギュレーション本部長 取締役・布施知芳氏
ありがとうございます。それでは、小道さんのご経歴も教えてください。
小道:新卒で広告会社に入社し、営業からキャリアをスタートしました。その後、金融、IT、エンタメなど、様々な業界を経験してきました。会社のステージも、上場企業4社とスタートアップ2社、数名程度のベンチャーから、数千名ほどいるような会社と、規模も様々です。その中で管理職や役員なども経験し、経営企画としては10年ほどキャリアを積んできました。2022年に弊社へ入社し、現在は経営企画部長として事業計画の策定や業績管理、取締役会や経営会議等の会議体運営などを担当しています。加えて、コーポレート部門の支援をはじめ、役員のタスク管理、プロジェクトの進捗管理など、何でも屋のような立場でプレゼンスを上げてきました。
ご入社のきっかけは何だったのでしょうか。
小道:弊社の「株式投資型クラウドファンディング」というサービスに興味を持ったことがきっかけです。今では他社サービスもありますが、当時からFUNDINNOは圧倒的なシェアを持っていましたし、何より会社のビジョンである「フェアに挑戦できる、未来を創る。」に共感できたことが大きかったです。実際に入社してみても、手を挙げれば何でも挑戦できる文化がありました。今回のIPOプロジェクトも、自分から「やりたい」と手を挙げて参加しました。

経営企画部長・小道洋平氏
IPOはいつ頃から検討されていたのでしょうか。
布施:実はかなり早い段階から考えていました。私が入社した2018年の時点で、すでに「IPO準備室」という枠組みは作っていました。ただ、その当時は株式投資型クラウドファンディングを開始してまだ1年ほどで、売上も上場を目指せる水準ではありませんでした。
それでも、代表の柴原をはじめ、私たちは「この会社は上場すべき企業だ」という認識を持っていました。なぜかというと、私たちのサービスは投資家の皆様に未上場企業の株式を購入していただくプラットフォームです。そのサービスを提供する企業自身が信頼される存在であることが、非常に重要だからです。投資というのは信頼がなければ成立しません。その信頼を高めるための一つの手段として、弊社が上場することは必要なことだと当初から考えていました。
御社が上場準備企業を助けていく役割を担っているからこそ、御社自身が上場し信頼を得ることが重要だったということですね。IPO準備については順調にスタートしたのでしょうか。
布施:スタートしましたが、実は一度ストップしています。
IPO準備を一旦やめられたのですか。
布施:当時は「FUNDINNO」という株式投資型クラウドファンディングのサービスのみを提供していました。ただ、証券会社などから「投資家の皆様が株を購入した後の出口が見えない」という指摘を受けていました。私たち自身もその課題は認識しており、新しいサービスの開発が必要だったものの、当時の会社の体力では、IPO準備と新規事業開発を同時に進めるのは難しい状況だったんです。そこで一旦IPO準備を止めて、もう一度ジャンプするためのタイミングを考えようということで、立ち止まることにしました。
そこから再びIPOを目指したのはいつ頃ですか。
布施:2023年頃ですね。まず社内で「本当に今IPOを目指すべきなのか」という熱い議論を交わしました。
すんなりと再開ということではなく、賛否両論あったのでしょうか。
布施:ありましたね。IPOを目指すとなると、管理体制を強化する必要があり、言い方は好ましくないですが、ある種制限をされるような面が出てきます。2018年当時と比較して売上が伸び、さらに拡大をしていかなければならない中で、IPOを目指す行為が逆に足枷になってしまうのではないかという意見も当然ながらありました。最終的には「会社のレピュテーション、信頼性を高めることが長期的な成長につながる」という結論になり、IPO準備を再度進めることになりました。
