【インタビュー】グリー株式会社/秋山仁氏 - 個人戦からチーム戦へ。チームで戦うために、自らが常に成長し続けたいと思った(3/4ページ) - Widge Media

【インタビュー】グリー株式会社/秋山仁氏 - 個人戦からチーム戦へ。チームで戦うために、自らが常に成長し続けたいと思った(3/4ページ)

記事紹介

メリルリンチ証券・投資銀行部門のディレクターとして活躍をしている中、急成長中のグリー株式会社に出会い参画を決意。その後、会社の環境が大きく変化していく中、経営企画部長、コーポレート本部長、取締役執行役員常務と、重責を担いながら会社を牽引してきた秋山仁氏に、そのキャリアストーリーを伺った。

※インタビュアー/株式会社Widge 代表取締役 柳橋貴之

お会いされた方々の中で年上の方はいらっしゃらなかったのですね。

そうですね。自分が一番おっさんです(笑)。

奥さんはどうだったんですか?グリーという会社に行くんだと報告された時は。

その頃はもう特に何も言わないといった雰囲気でしたね。 単に、給料がそれまでの2割になってしまったので、さすがにビビっていましたね(笑)。「8割減???」って(笑)。

でも、特にその点に関しても、文句があったりとかは全く無かったですけどね。

給与が8割減るって、やっぱりインパクトはすごいですよね(笑)。

まぁ、投資銀行でしたからそれなりに頂いていたのと、蓄えが無かったわけではなかったので…(笑)。 それよりも、一般の大企業で働いていたら、40歳で転職とはなかなか思えないと思うんですよね。金銭的にもそうですけど、ようやく自分でものごとが決められるようになってきて、面白くなってきた…みたいな年ですから。そういう面でも、非常に恵まれた環境にいたと思います。

グリーさんに入られて、最初のミッションは何だったのですか?

最初は投資チームでした。ゲームのプラットフォーマーになっていたので、ゲームを開発してくださる会社さんにマイノリティー出資をして、グリーのプラットフォームでゲームが売れたら上場して頂いて…みたいなモデルですよね。

当時は何名くらいのチームだったのですか?

6~7人でしたね。

投資チームの責任者として入ったわけではないのですか?

役職としては投資チームマネージャーです。マネジメントポジションとしては一番低いクラスですね。マネージャーがあってシニアマネージャーがあって部長・本部長と続くので(笑)。ゲームの方のマネージャーは23歳とかでしたからね(笑)。

そこからのスタートだったのですね。改めてこの決断はすごいですね。

メリルの同僚とかは気が狂ったと言っていました(笑)。

投資チームにはどれくらいの在籍だったのですか?

2011年の11月に投資チームにジョインして、そのあとすぐ12月くらいに訴訟の担当になりまして。投資チームとは全く関係が無かったんですけど、その指揮を執ることになったんですね。 そして、ある程度、訴訟対応が落ち着いたタイミングで、経営企画部の部長になって、そうしたら、3月からはソーシャルゲーム業界全体にいわゆるコンプガチャ問題が発生し、その対応をしていました。 その頃からコーポレートの副本部長という立場になったのですが、まさに日替わりでどんどん役割が増えていく状況でした。

会社も目まぐるしく変わっていく中で、ご自身も目まぐるしく変わっていったという状況なのですね。

そうですね。11月に入社して、3月には「夏以降はコーポレートを全て見てね」と言われるような状況でした。

当時のコーポレートは、どういった部署があったのですか?

経理と法務、それから経営企画ですね。当時はとくに大きな借入などはなかったので財務部門はありませんでした。その後に部署として必要だろうということで、今は財務戦略部を置いています。

当時のコーポレートは何名くらいの組織だったのでしょうか?

全体で100名くらいでしたね。

いきなり100名のマネジメントとなると、いろいろと大変だったのでは?

全然ダメでしたね…(笑)。笑われちゃいますよ、本当に。 2012年の秋からコーポレート全体を見るようになったんですが、マネジメントというものが全く分かっていなかったというか…。

その頃は、会社自体も様々な問題を抱えていたので、その陣頭指揮を執るみたいなのが、自分の仕事であって、チームをマネジメントしていくというよりは、来た球を打ち返しまくるみたいな状態でした。それが重宝されて役割も広がっていったということもあるので、いわゆるそれが成功体験になっちゃったんですよね。

お手製でつくった360度評価のようなものをしてもらったんですけど、それがもう散々なもので…。 「投資銀行でもないんだし、土日にガンガン働くことを期待しないで下さい」とか、「物の言い方をちょっとは考えてほしい」とか、そもそも「あなたみたいな人とは一緒に働きたくない」とか…。

それは結構ショックだったのでは…?

もちろん悲しいですけど、そういうことを書いてくれるだけまだいいですよね。

あと一つあるのが、管理会計を導入する時ですかね。当時、社内では全部自分が把握しているべきという思いがあって、管理会計の導入経験が無かったにも関わらず、人に任せることができずプロジェクトが停滞してしまいました。 それで、管理会計は別の人がやることになって、初めて気づいたんですよ。「あ、俺はこういう進め方をしていてはダメなんだ」「自分が独りよがりにフルに動くのではなくて、チームの人に頑張ってもらわないとダメなんだ」って。 当たり前なんですけどね。42歳でようやく気づきました(笑)。

大きなきっかけというか、気づきになったのですね。

チームの人が進めることで、ちゃんとプロジェクトが動き始めたので、それを見て、「かなり考え方が間違っていたな…」と反省しました。 そこからは、プロフェッショナルコーチにもついて頂いて、チーム運営に対する考え方を変えていきましたね。

そこからは皆さんの反応も少しずつ変わっていったと。

ありがたいことに、最初に評価をしてもらった時に比べれば、良くなったと思います(笑)。今でも「言い方を気を付けて」みたいな意見はあるので、その辺りは日々努力ですね。

グリーさんに入られてから、何か苦しかったエピソードなどはありますか?

先ほどのコンプガチャの時もそうですし、2016年まで4年間売上が下がっていた時ですね。 やっぱり皆、動揺するんですよ。例えばゲーム以外のことを始めようとしても、「ゲームが当たらないのに、ゲーム以外のことをやっている場合なのか」みたいな意見も出ますし。 ABCDEというプランがあったら、Aは当たるかもしれないけどEは当たるのか?みたいな。だったらEの人を俺のところに持ってきてくれとか。EとDをやっていたら赤字になっちゃうから、とっととそれは止めた方がいいとか…。