【インタビュー】渡邉淳氏 - 家族・友人との信頼関係、知識、健康…「見えない資産」を大切に(6/6ページ) - Widge Media

【インタビュー】渡邉淳氏 - 家族・友人との信頼関係、知識、健康…「見えない資産」を大切に(6/6ページ)

記事紹介

高専から新卒で富士通株式会社のエンジニアへ。その後、公認会計士へキャリアチェンジをし、青山監査法人(現PwCあらた監査法人)へ入所。野村證券株式会社(引受審査部門)、株式会社ラルクを経て、株式会社エラン・取締役CFOとして東証マザーズへのIPOならびに東証一部への市場変更を牽引。監査法人・証券会社・IPOコンサル・事業会社(IPO準備から東証一部)と、様々な角度で経験を積まれてきた同氏のキャリアストーリーと、その後について伺った。

※インタビュアー/株式会社Widge利根沙和

逆に、IPO関連業務へのこだわりですとか、会計士資格を活かしてのこだわりなどは無いのでしょうか?

無いですね。これからやることはIPOと関係ないことでもいいですし、会計士資格を使わない仕事でもいいと思っています。あまり凝り固まったこだわりは持たないようにしています。

「キャリア」や「働き方」に対するお考えもお聞きしたいです。

「LIFE SHIFT」という書籍に書かれていることでもあるのですが、学習→仕事→引退という3つのステージで生きるという時代はもう終わると言われています。そもそも働く年齢がどんどん長期化していますので、1つの会社で勤めあげるということが本当に難しくなっていくと思います。社会に出てからも、一度仕事をやめて再び学び、それから全く別の仕事に就くというように「マルチステージ」の人生が当たり前となっていくだろうと。私の年代ですら、旧来の3ステージ型の人生設計だけでやり切れる方は少なくなっていますので、もっと若い世代の方々は、3ステージの人生設計はまず不可能で、一流企業に入ったから安泰、国家資格を取ったから安泰という発想は極めて危険な時代に突入していると思います。

日本以外の先進国では、社会人になった後もアカデミックな環境に戻る人の割合が非常に多いというデータを見たことがあります。渡邉さんご自身も最近まで東京大学のEMP(エグゼクティブマネジメントプログラム)というコースに通われていたんですよね。どのようなことを学ばれていたのですか?

東大EMPのことをひと言で説明するのは難しいのですが本当にいろいろな勉強をしました。宇宙科学やバイオヘルスケア、量子コンピューターなどサイエンス系の講義も多いですし、宗教や哲学、世界史などの講義もあります。半年で180コマ位の講義があり、課題図書として100冊くらいの書籍を読まされました。実際には書籍はぜんぜん読み切れませんでしたが(笑)。毎週懸命に予習をして、金曜日と土曜日には朝から晩まで東大で授業を聞く、というなかなかハードなコースです。まあ、青春なんですけどね(笑)。

とても濃い内容ですね。そして、いろいろな面で役立ちそうです。

東大EMPに行ったことは必ず将来のためになると思っています。会計士になってからは、会計や経済など直接仕事に関係することだけは必死で勉強してきましたが、もっともっと世の中は広いですからね。受講生は、業界も年齢も職種もバラバラでしたが、素晴らしい友人が沢山できたのもよかったです。

渡邉さんが今後どのようなことに取り組まれていくのか、とても楽しみです。

運やご縁に恵まれて、今はとても幸せな状態だと思いますが、現状に満足はしていませんし、しないように意識しています。満足することは向上心を持たなくなることだと思っていて、向上心を持たない人生は退屈だと思っているんです。

素晴らしいお考えですね。渡邉さんのようになりたいという方も多いと思います。

そうですかね……(笑)。学歴も無い自分でしたが、どんどん外に飛び出して行ったら、案外面白くなって、いつの間にかこうなったというところですね(笑)。

人のキャリアって、社会に出た時から「これだ、私はこの仕事を極める」(私はCFOになるなど)と決めて、それを達成される方もいると思うんですけど、私のように変遷を重ねていくことで後から進路が見えてくるという方も結構いると思うんです。人の人生って答えがないというか、キャリア1つ取っても、いろいろなパターンがあって、「振り返ってみるとそれが正解だった」と思えるということの方が大切なような気がします。

おっしゃる通りですね。自らの経験に後悔しないといいますか、渡邉さんの前向きな姿勢がとても伝わります。

私は非常にプラス思考だと思います。どんなに失敗をしても、これで良かったんだと思うようにしています。もちろん思い通りにいかないことはたくさんあるんですけど、きっとそれは「今じゃないんだ」っていう思考に強引に持っていくというか。そうしていると、必要な時に必要な人と出会えたりするんですよね。運も出会いもたくさん来ると思っていますので、「プラス思考でいること」は大切にしています。

ものの考え方、本当に大切ですよね。

日本人は教育水準も高いですし、経済力も高いのに、幸せを実感している人って少ないと思うんですよ。むしろ心の病にかかる人は増えていて、世界有数の自殺大国だったりしますよね。実は途上国に住む方々の方が、毎日に幸せを感じている可能性がありますよね。

新たな時代を幸せに生きていくためにはどうしたら良いと思われますか?

これからの時代に必要になるのは、家族や友人との信頼関係・知識・健康といった「見えない資産」なのかなと思っています。お金があるだけでは幸せにはなれません。 私も自分の持っている見えない資産を活かして、自分だからできる何かをやりたいと思っていますが、それが何なのかを探しているところです。どうせなのであれば、これからの世の中の変化に、何かプラスになることをしていきたいですね。今はまだ分かりませんが、焦らずにひらめきや出会いなどを待とうと思っています。

渡邉さんにどんな閃きが訪れるのか、とても楽しみです。今日はたくさんの興味深いお話をきかせていただき本当にありがとうございました。

渡邉 淳 氏高専から新卒で富士通株式会社のエンジニアへ。その後、公認会計士へキャリアチェンジをし、青山監査法人(現PwCあらた監査法人)へ入所。野村證券株式会社(引受審査部門)、株式会社ラルクを経て、株式会社エラン・取締役CFOとして東証マザーズへのIPOならびに東証一部への市場変更を牽引。